遺言書を作りたいと思った時に、誰に頼めば良いのかは皆さん悩まれる点だと思います。
司法書士は不動産登記を見据えた書類作成を得意としています。本記事では司法書士に依頼すると良い点や、弁護士・行政書士との違い、具体的な費用の目安を解説します。
目次
遺言書作成を司法書士に依頼すると良いポイント
遺言書作成を司法書士に依頼する利点は、不動産の専門知識に基づいた正確な書類作成にあります。司法書士は登記の専門家であり、相続になった後の名義変更を見据えた遺言書を作るための助言ができます。
法的効力を確実に持たせる遺言書を作ることで、残された家族への負担を減らす事ができます。不動産を所有している場合は、登記の専門家である司法書士に依頼するのが安心です。
不動産相続(相続登記)の手続きまでワンストップで対応可能
遺言書の作成を司法書士に依頼する最大の利点は不動産の名義変更まで見据えた助言を受けられる点です。司法書士は不動産登記の専門家であり、相続発生後の名義変更手続きを円滑に進める知識を豊富に持っています。
登記に必要な戸籍謄本や住民票などの公的書類の収集代行だけでなく、相続発生後の相続登記まで代理申請することができます。
不動産が遺産に含まれる場合、遺言書の作成段階から登記の専門家が関与することで将来の手続きミスを防げます。名義変更まで一貫して任せたい方に司法書士は適しています。
弁護士に比べて費用を抑えられる傾向がある
司法書士は弁護士と比較して、遺言書作成の報酬が低く設定されている傾向にあります。弁護士は紛争解決を主眼に置く一方で、司法書士は書類作成と登記手続きを主な業務とするためです。
- 司法書士: 9万円〜16万円程度
- 弁護士: 10万円〜30万円程度(+紛争リスクに応じた加算)
- 行政書士: 7万円〜13万円程度
親族間で争いがない平穏な相続であれば、司法書士へ依頼することでコストを抑えつつ正確な遺言書を作成できます。そのため経済的な負担を減らしながら法的効力を確保したい場合に有効な選択肢となります。
予備的な相続対策(不動産生前贈与など)も相談しやすい
司法書士は遺言書作成だけでなく、生前贈与や家族信託といった複数の相続対策を組み合わせて提案ができます。不動産の権利移転に関わる手続き全般に精通しているため、人それぞれの事情に応じた最適な方法を一緒に考えます。
依頼する前に知っておきたい司法書士ができないこと
司法書士へ依頼する際は、法律によって決められた業務の限界を理解しておく必要があります。司法書士は書類作成や登記の専門家ですが、紛争の仲裁や税務申告を行う権限はないためです。
例えば、親族間で既に争いがある場合や、税務申告が必要な場合は他の専門家との連携が欠かせません。以下のリストに主な制限事項を整理しました。
| 司法書士にできないこと | 当事務所による解決策 |
| 親族間における分割の交渉や仲裁 | 提携弁護士の紹介によるスムーズな橋渡し |
| 相続税の具体的な計算や申告書作成 | 提携税理士と連携した税務面でのサポート |
| 裁判所における紛争の代理人業務 | 2,500件超の相談実績を活かした紛争予防提案 |
事前にできないことを把握することで、ご自身の状況に最適な相談先を選択してください。
相続人間で「揉め事」が起きた際、交渉・仲裁ができない
司法書士は争いが生じている相続において、他の相続人と交渉したり仲裁に入ったりすることはできません。報酬を得て紛争の代理人になれるのは弁護士のみと決められているからです。
具体的に司法書士が対応できないケースをまとめました。
| 状況 | 司法書士の対応 |
| 遺産分割の割合で親族が対立している | 交渉・調停の代理は不可 |
| 遺言書の無効を主張されている | 裁判手続きの代理は不可 |
| 遺留分侵害額請求の交渉をしたい | 代理人としての交渉は不可 |
すでに親族間で意見が対立している場合や争いが予想される状況では、最初から弁護士へ相談することをおすすめします。
相続税の具体的な計算や申告はできない
司法書士は相続税の具体的な税額計算や、税務署への申告書作成を業務として行うことができません。税金の申告業務は税理士の独占業務とされているためです。
遺言書の内容が税務に与える影響については、提携する税理士と連携して対応する形が一般的です。節税対策や納税資金の算出が主な目的であるなら、税理士への相談を優先してください。
司法書士・弁護士・行政書士の違い
各士業にはそれぞれ得意とする業務範囲があり、依頼者の状況によって最適な相談先は変わります。ご自身の財産構成や親族関係の状況に合わせて、適切な専門家を選ぶことが大切です。
| 項目 | 司法書士 | 弁護士 | 行政書士 |
| 主な役割 | 登記と書類作成 | 紛争解決と交渉 | 書類作成 |
| 不動産登記 | ○(専門) | △(可能だが稀) | ×(不可) |
| 紛争の交渉 | ×(不可) | ○(専門) | ×(不可) |
| 費用感 | 中程度 | 高め | 低め |
土地や建物を所有しているなら司法書士、親族トラブルがあるなら弁護士、安価に書類を整えたいなら行政書士が適任です。
こんな人は司法書士への依頼がおすすめ!
司法書士への依頼が最も適しているのは、自宅やアパートなどの不動産を所有している方です。遺言書に記載した内容を確実に登記簿に反映させる知識は、司法書士が最も長けています。
また、親族間の仲が良好で、手続きの正確性とコストパフォーマンスを両立させたい方にも司法書士は最適です。将来の相続登記を見据えて、今のうちに専門家のチェックを受けておきましょう。
なお、当事務所では相続や遺言に関する専門知識を活かして的確なアドバイスをさせていただきます。また女性司法書士と女性スタッフが最後まで丁寧に対応し、安心して相談できる体制でお待ちしております。
遺言書作成を司法書士に依頼する場合の費用相場
司法書士に遺言書作成を依頼する際の報酬相場は5万円から15万円程度です。この報酬とは別に、公正証書遺言を作成する場合には公証役場へ支払う手数料が別途発生します。
【費用の内訳目安】
- 遺言書作成報酬: 10万円 〜 15万円
- 戸籍謄本等の収集費用: 数千円(実費)
- 公証人手数料: 財産額と内容に応じて数万円~
財産が多岐に渡る場合や、書きたい内容が複雑になるなど、依頼内容によって報酬額と公証人の手数料は変動します。見積もり額については、司法書士との面談時に直接確認してください。
まとめ
遺言書作成において司法書士は、不動産登記の専門知識を活かして将来の手続きを円滑にする役割を担います。弁護士よりも費用を抑えつつ、行政書士では行えない登記までワンストップで任せられる点が魅力です。
不動産を所有している方や、相続手続きの負担を家族に残したくない方は、ぜひ司法書士への相談を検討してください。