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不動産を生前贈与で名義変更する時の手続きと税金を解説

不動産の生前贈与は登記簿の名義書き換え手続きが必要となります。
また、贈与者の死後に相続人間でもめ事になったりする可能性もあります。

登記の流れ注意点について理解し、かかる税金についても事前に確認して納得のうえで進める必要があります。
土地や不動産の生前贈与について詳しく説明いたします。

 生前贈与とは、生きている間に自分の財産を他者に無償で与えること

生前贈与とは生きているうちに誰かに財産を無償で譲ることです。
生前に贈与をすることで、贈与する人(あげる人)にとっては、自分が生きているうちに、渡したい財産を渡したい人に渡すことができますが、いくつか注意点があります。

土地の生前贈与では登記申請時にかかる税金と後から払う税金がある

土地や不動産の生前贈与にかかる税金は3種類あり原則すべての税金はもらった人が納税義務者となります。

  1. 登録免許税(国税)
    登録免許税は登記申請する時に申請書に印紙を貼って納めます。
  2. 不動産取得税(都道府県税)は登記申請をした数か月後に自動的に不動産をもらった人に宛てて請求書が届きます。
    詳しい軽減措置などは後記をご覧ください。
    生前贈与の不動産取得税は名義変更後に請求書が来る
  3. 贈与税(国税)は贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日の間に、もらった人が申告と納付をします。

生前贈与の登録免許税の税額は固定資産税評価の2%

下記の通り、生前贈与登記税額は相続の5倍と、かなり高額になります。

  • 生前贈与登記の登録免許税の税額の計算方法
    固定資産税評額×20/1000(2%)です。
  • 相続登記の登録免許税は
    固定資産税評額×4/1000(0.4%)

【参考】固定資産税評価額の確認方法
毎年4月頃に市町村から送付される固定資産税納付通知書の課税明細のページの価格に書いてある金額です。

生前贈与の不動産取得税は軽減になる場合もある

不動産取得税は相続ではかからない税金ですが、不動産贈与では原則不動産取得税がかかります。
土地や建物を取得した際に1度だけ納付する税金です。
中古住宅の場合、下記の要件を満たしていれば軽減を受けることができます。

  1. 軽減に該当するケース
  2. 中古住宅で取得した人が住んでいる
  3. 床面積が50㎡以上240㎡以下
  4. 昭和57年1月1日以降に新築された建物である

北海道の場合、詳しくは下記のリンクをご確認ください。
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/zim/keigen/keigen202.html

なお、要件を満たしていない場合、夫婦間贈与特例や相続時精算課税制度利用で贈与税の納付額が0でも不動産取得税がかかるケースがあるので注意が必要です。

【参考】軽減がない場合の不動産取得税の計算式(2024年3月31日までに取得した分)

  • 土地        固定資産税評価額×1.5%
  • 住宅用の建物    固定資産税評価額×3%
  • 住宅用以外の建物  固定資産税評価額×4%

相続時精算課税制度を利用すると2,500万円以下なら贈与税を払わなくてよい

生前贈与をして控除枠を超えると原則贈与税がかかります。現金だけでなく土地や不動産の贈与も同様に贈与税がかかります。

では贈与税を払わずに済む方法はあるのでしょうか?
贈与税には暦年贈与(1年に110万円)の控除のほかに相続時精算課税制度を利用する方法があります。

相続時精算課税制度はどんな人が利用できるのでしょうか?
贈与をした年の1月1日において60才以上の父母や祖父母から、18才以上の推定相続人へ(あげた人が亡くなった時相続人になる人)の贈与で利用可能です。

届け出をすれば2,500万円までは非課税で贈与することができます。
贈与税は払わない代わりに相続の時に相続財産に加えて相続税の計算をします。

相続時精算課税で生前贈与を検討すべきは親に相続税がかからない人

様々な事情から生前に土地や不動産の名義を変えておきたいというご希望が多くあります。
生前贈与では支払う税金が高額となります。中でも贈与税の負担が大きくなります。

贈与税を払わなくてもよい相続時精算課税ですが特に利用を検討すべき人はどんな人なのでしょうか?

贈与するのが父だとすると父が亡くなった際の遺産が相続税の基礎控除内で申告が必要ない人のケースです。
相続税の基礎控除の計算は下記のとおりです。

3,000万円+(600万円×法定相続人数)

基礎控除額を確認して、そこまでの遺産はなく今回の贈与以外に父から贈与を受ける予定がない人は相続時精算課税を利用した生前贈与を検討してもよいでしょう。

相続時精算課税制度を使う場合の注意点は3つ

  1. 一度相続時精算課税を選択すると暦年贈与は使えなくなる
  2. 贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日の間に税務署に相続時精算課税を選択する届け出を出す。
    1日でも遅れたら制度が使えなくなるので注意が必要です。
  3. 翌年以降にも同じ贈与者(あげる人)から贈与を受けた場合は必ず申告が必要です。

※改正により令和6年以降は110万円を超えた場合について申告が必要となります。

贈与税や相続時精算課税は贈与を受けた翌年に必ず申告

前述のように相続時精算課税を利用する場合には翌年申出が必要でしたが、贈与税を納付する場合も必ず受贈者(もらった人)が贈与税の申告をしなければなりません。
申告時期は贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日の間です。

贈与税は不動産取得税と違って待っていても自動的に納付書は来ません。
自分で申告が必要であることは肝に命じましょう。

生前贈与で不動産をもらった場合の名義変更登記手続きの流れ

生前贈与で不動産をもらった場合すぐに登記申請をして登記名義を変えておきましょう。
ここからは集める書類や手続きの進め方について詳しく解説します。

生前贈与の対象になる物件を調査する

生前贈与の対象物件はつぎのように調べます。

  • 市町村役場で名寄帳を取り寄せ

課税価格に満たないため固定資産税がかかっていない道路持分などがあるケースも想定されるため名寄帳を取り寄せると安心でしょう。
判明している物件の登記済権利証や固定資産税納付通知書が手元にあればヒントとして持参します。

  • 法務局で取得するもの

贈与による不動産の名義変更をするには対象物件の登記簿を取って内容を確認します。

登記簿(登記事項証明書)は法務局で取ることができます。
土地の「地番」や建物の「家屋番号」が必要です。地番は住所とは違います。

地番や家屋番号は登記済権利証や固定資産税納付通知書の記載で確認できます。
どちらもなければ法務局で住所から検索することも可能です。

贈与者と受贈者が揃える書類を解説

必要な書類は下記のとおりです。

贈与者(あげる人)の書類

  • 住所の変更がある場合は住民票(本籍・変更事項入)または戸籍の附表
  • 氏名の変更がある場合は変更が分かる戸籍謄本
  • 印鑑証明書(申請日から3か月以内のもの)
  • 贈与する不動産の登記済権利証または登記識別情報通知
  • 実印
  • 運転免許証などの身分証明書(司法書士に依頼する場合)

受贈者(もらう人)の書類

  • 住民票
  • 認印
  • 運転免許証などの身分証明書(司法書士に依頼する場合)
  • 200円の収入印紙

贈与契約書を作成する

贈与の事実を証明するために贈与契約書を作ってお互いに署名・押印をします。
贈与契約書には下記の内容を盛り込みましょう

  • 贈与契約の日
  • 贈与者と受贈者の住所と氏名
  • 贈与の対象物件(登記簿記載のとおりに正確に記入)
  • 贈与者が贈与した旨と受贈者が受諾した旨

手書きでもパソコンでも構いません。
パソコンで作成する場合は日付、署名は手書きにしてお互いに実印を押印して印鑑証明書を付けるとより安心でしょう。(後日の争いを避ける意図)

贈与契約書には200円の収入印紙を添付して消印(印紙と契約書にまたがって押印して印紙を再利用できなくする)します。

※贈与契約書のひな形を入れる

登記申請書を作成する

  • 登記簿記載の名義人の住所が現住所とは違っている時
    住所の変更登記の申請書を作成します。
  • 結婚離婚で氏名が変わった時
    氏名変更登記の申請書を作成します。(※住所と氏名が両方変更になっている場合はこの2つは1つの申請書で足ります。)
  • 贈与者から受贈者への所有権移転登記申請書を作成します。
    具体的な申請書の書き方は下記法務局ホームページを参考にしてください。

10)登記名義人住所・氏名変更登記
5)所有権移転登記申請書(贈与)
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html

詳しい申請書の綴じ方や印紙の貼り方については下記ページを参考にしてください。
相続した実家や土地の登記の名義変更手続きは自分でできるか

管轄の法務局へ登記申請する

出来上がった申請書を提出する先は法務局です。
法務局は複数あります。申請先は贈与する不動産がある管轄法務局となります。

下記の法務省のホームページを参考にして提出先を確認してください。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html

返却書類(識別情報)の受け取り

登記が無事終わると、登記識別情報通知書や登記完了証という書類が発行されます。
この書類は申請した法務局の窓口または郵送で受け取ります。

登記完了予定日を過ぎたら、申請書に押印した印鑑と身分証を持参して申請した法務局に行きます。
完了予定日は各法務局のホームページから確認可能です。

郵送受け取りの場合は申請書に郵送先と送付希望の旨記載してレターパックプラス(赤)を返信封筒として付けます。

登記識別別情報はいわゆる「登記済権利証」です。
袋とじを破らず大切に保管しましょう。目隠しシールの中に重要なパスワードが書かれています。

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